タクシー物語 神奈川・東京・埼玉編

たくさんの優しさに触れた新人時代

お客様に育てられた新米ドライバー

入社3年目

S.H

新人バッジをつけ、ドライバーデビューを迎えたあの日。これから始まる新たな挑戦を前に、私は意気揚々と運転席に乗り込みました。ありがたいことに新米ドライバーが運転するタクシーにも関わらず、次々とお客様が乗車。まさに順風満帆の滑り出しです。しかし、そうした状況とは裏腹に、緊張のあまり思うような接客ができずジレンマを感じているもう一人の自分がいました。

「行き先も、行き方も、裏道も、何もわからない」。もちろん、お客様と会話をする余裕なんてなく、笑顔をキープするだけで精一杯。そんな私に対して、なかには怪訝な表情をされるお客様も。「タクシードライバーに向いていないのかな?」。何度もそう思いました。しかし、そんな私を救ってくれたのも、やはりお客様でした。まるで同乗指導のようにランドマークになる建物や場所を教えてくださる方、狭い道を通らないように誘導してくださる方、時には帰り道まで教えてくださる方。本当に多くのお客様の優しさに助けられ、タクシードライバーとして成長させてもらいました。

あれから2年半。新人バッジが外れ、お客様との会話を楽しむ余裕も出てきた今の私なら、少しは認めてもらえるのかな。「助けていただいたお客様のためにも安心して任せられるドライバーになる」。あの日に掲げた目標が、今もこれからも変わらず私の原点です。

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