タクシー物語 神奈川・東京・埼玉編

車酔いしてしまう小学生の女の子

女の子の頑張る姿と言葉に、思わず感動

入社7年目

N.H

数年前、みなとみらいで出会ったお客様との出来事です。
おばあちゃんとお母さんに連れられた小学校低学年くらいの女の子。
今にも泣きだしそうな表情を浮かべながらご乗車になられました。

あまりにも不安そうな表情を浮かべているので「どうしたの?」と声をかけたところ、かなりの確率で車酔いしてしまうとのこと。
どうにかできないかなと考えながら、荷物をトランクに詰め込んでいると、可愛いキャラクターが描かれた女の子のバッグを発見。
そこで「可愛いバッグだね、これは車の中に持っていこうか」と提案し、助手席にバッグを置くことに。
15分ほどの乗車時間でしたが、その間女の子は目一杯に手を伸ばし、バッグに付いているストラップを必死に握りしめていました。

そして、目的地に到着。「よく頑張ったね!」と女の子に声を掛けると「私のバッグを可愛いって言ってくれてありがとう。
おかげで今回は気持ち悪くならなかったよ」と小さな声で私に伝えてくれました。車酔いしてしまう女の子にとって、車での移動はとても嫌な時間なはずです。
でも、その時間が少しでもいい思い出に変わってくれたら。そんな思いで運転をしました。
女の子の頑張る姿と言葉に心を打たれ、気が付いたら目には涙が。
涙が落ち着くまでの少しの時間、回送で車を走らせ、女の子からの「ありがとう」を心の中で嚙みしめました。

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