タクシー物語 神奈川・東京・埼玉編

壁を乗り越えられた、思い出の羽田空港行き

老夫婦の優しさが、不安を乗り越えるきっかけに

入社4年目

K.K

これは私がタクシードライバーになって3ヶ月ほど経ったころの
「新人ドライバー時代」のエピソードです。

私のタクシードライバーデビューとなった初乗務の日、羽田空港へ行くお客様をお乗せしました。
初乗務ということもあり緊張していた私は、高速道路の乗り口を間違ってしまい、大失敗。
それ以来、高速道路に乗るのが怖くなっていました。

それから3ヶ月ほど経ったころ、再び羽田空港へ向かうお客様をお乗せすることに。
お客様は二人とも車イスを利用されている老夫婦。
これから二人で旅行に行くのだと楽しそうに話してくれました。
ですが、高速道路への不安と緊張を抱えていた私は、
案の定、高速道路の乗り口を間違えてしまったのです。

何度も「すみませんでした」と謝る私に対して、
「時間に余裕があるから大丈夫よ」と優しく返事をしてくれましたが、
結果的に大幅に遅れて空港へ到着することに。

「二人の旅行のはじまりを台無しにしてしまった」と落ち込んでいたところ、
「旅にはアクシデントが付きもの。それをあなたが起こしてくれたから、
これから大きなアクシデントは起きないわ。だから大丈夫よ」と奥様が優しく声をかけてくれました。
そして、最後に「また帰りもお願いしますね」と笑顔で去っていかれました。

次にこの二人を乗せるときは、もっと素敵な旅のひと時にしたい。
そう思うようになってから、高速道路への不安もなくなりました。

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