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2024年問題、タクシー業界にどんな影響があるのか?

「2024年問題」というワードを聞いたことがあるでしょうか。
政府による「働き方改革」に関する規制によって、
運送業界にたくさんの諸問題を発生させるとして話題になっています。
働き方改革を推進する法改正なら、
労働者にとっていい影響を与えるイメージがありますが、
いったい何が問題となっているのでしょうか。
そこで今回は、
「2024年問題とはいったいどんな内容なのか」
「タクシー業界にはいったいどんな影響があるのか」
解説していきたいと思います。

CONTENTS

こんな方にオススメ!

  • 2024年問題が何なのか知りたい人
  • 2024年問題がタクシー業界に与える影響を知りたい人
  • タクシー業界での具体的な法改正の内容について知りたい人

【2024年問題とは?】

まずは「2024年問題」とはいったい何なのか、
それによってどんな問題が起きているのか見ていきましょう。

●2024年問題って何?

「2024年問題」とは、主に物流・運送業界で起こる問題で、
働き方改革の一環として、トラックドライバーなどの
労働時間が制限されることによって生じる様々な問題を指します。
具体的に言うと、配送を行うトラックドライバーが
長時間労働できなくなることで、ドライバー不足・輸送能力不足となり、
今までのように物が運べなくなったり、運送コストが上がってしまうなど、
人々の生活やビジネスに大きな影響を与えてしまうということです。
私たちの暮らしにとって物流は無くてはならないものなので、
物流が滞ってしまったら大変な事態になってしまいそうです。

ちなみに、なぜなぜ「2024年問題」と言われるのかと言うと、
「2024年4月からトラックドライバーの労働時間に関する規制が本格的に適用される」
からです。実は法律自体は、2018年に改正され、2019年より順次施行されてきました。
ただし、タクシー・ハイヤー・バスなどの人を運ぶ「旅客運送業」や、
荷物を運ぶ「貨物運送業」は業務内容の特性から長時間労働になりやすく、
短期間で労働環境を変えることは難しいとされ、
2024年3月末まで「猶予期間」が設けられていたのです。

●2024年問題で何が変わったの?

具体的に運送業界で何が変わったのかと言うと、2024年4月から
「自動車運転者の時間外労働の上限が年間960時間」になりました。
細かな規定はタクシー・ハイヤー・バス・トラックなどで異なりますが、
上限に関しては共通となります。

実はこれまで、トラックドライバーの年間の時間外労働時間の上限は
明確に定められていませんでした。それにより長時間労働が常態化し、
「トラックドライバー=長時間労働」というイメージが定着してしまいました。
今回、トラックドライバーをはじめ、自動車運転者に対する
労働時間の規制を強化することで、業界全体で働き方改革を推進していこう
という狙いが政府にはあります。
そして、その改革が2024年から本格的に始まっていくという訳です。

 

【2024年問題がタクシー業界に与える影響】

2024年問題に関する諸問題について、
物流業界やトラックドライバーを中心にお話ししてきました。
では、この2024年問題はタクシー業界にはどんな影響があるのでしょうか。
具体的な法改正の内容から、今後予想される影響まで見ていきましょう。

●タクシー業界で変わったこと

まずは、タクシー業界で変わった法改正の内容について確認していきましょう。
2024年4月から下記の内容に変更となっています。

<改正された改善基準告示の主な内容>

・1ヶ月の拘束時間

【日勤】299時間以内 ⇒ 288時間以内 に変更

【隔日勤務】262時間以内 ⇒ 262時間以内 で変更なし

 

・1日、2暦日の拘束時間

【日勤(1日)】13時間以内(上限16時間)
⇒ 13時間以内(上限15時間、14時間超は週3回までが目安) に変更

【隔日勤務(2暦日)】21時間以内
⇒ 22時間以内、かつ、2回の隔日勤務を平均し1回あたり21時間以内 に変更

・1日、2暦日の休息期間

【日勤(1日)】継続8時間以上
⇒ 継続11時間与えるよう努めることを基本とし、9時間を下回らない に変更

【隔日勤務(2暦日)】継続20時間以上
⇒ 継続24時間与えるよう努めることを基本とし、22時間を下回らない に変更

※拘束時間とは…使用者に拘束されている時間(「労働時間」+「休憩時間」)のこと。
(会社へ出社(始業)し、仕事を終えて会社から退社(終業)するまでの時間)

※休息期間とは…使用者の拘束を受けない期間のこと。
(業務終了時刻から、次の始業時刻までの時間)

詳細の内容については厚生労働省のHPに記載されていますので下記よりご確認ください。
https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/taxi/notice

●今後予想されるタクシー業界への影響とは?

2024年問題の法改正は、タクシー業界にも少なからず影響を与えていきます。
まず考えられるのは、長期間労働によって
高収入を得ていたタクシードライバーの収入減少です。
拘束時間や休息期間の規制が厳しくなったことで、
これまで上限まで働いていたタクシードライバーは労働時間が短縮されます。
タクシー業界は歩合制が中心なので、「労働時間の減少」=「収入の減少」となります。
とはいえ上記の変更の通り、トラックドライバーと比べ、
タクシードライバーは労働時間が大きく減ることはないため
今回の改正で収入にそこまで大きな打撃を受けることはないと予測されます。
実際、タクシードライバーの収入が大幅に減少したり、
離職率が急激に増加したという動きにはなっていません。

次に考えられるのは、物流同様、タクシーの供給不足の可能性です。
労働時間規制の影響でドライバーが不足し、
タクシーの配車が困難になる事態が考えられます。
ですが、これに関しても、現状ドライバーの離職率増加につながっていないため、
これまでの供給状況とそれほど変わらないと予測されます。
ただし、タクシー業界は慢性的な人手不足を抱えているので、
この問題とは別に、公共交通機関としてタクシーの供給を支えるために
どうすればいいのか対策を考えていくことは必要かと思います。

現状、2024年問題の法改正によるタクシー業界への影響は少ないと予測されます。
ですが、今後どんな影響が出てくるかは分かりません。
社会の状況やタクシー業界の動向にアンテナを張りながら、
今後の展望を考えていくことが大切です。

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●タクシー業界に転職するドライバーが急増?

これまで述べてきたように、2024年問題の影響は、
タクシー業界(タクシードライバー)よりも、
物流業界(トラックドライバー)のほうが大きいと言えます。
特に、長距離トラックの運転手は、長時間労働をすることで
高収入を得ていた実情があります。労働時間が大幅に制限されることで、
収入が大きく減ってしまうトラックドライバーが増え、
離職につながっているケースも見られます。

実際、トラックドライバーからタクシードライバーに転職する方も増えてきています。
タクシー業界は、2024年問題の影響が少なく、タクシー需要の高まりも相まって、
高収入を稼ぎやすい環境となっています。
これまでのドライバー経験を活かして、タクシードライバーを目指す人が、
今後もっと増えてくるかもしれません。

 

【タクシー業界への影響が少ない理由】

タクシー業界は2024年問題の影響が少ないと説明してきましたが、
そもそも同じドライバー職なのに、どうして影響が少ないのでしょうか。
その理由について解説していきます。

●タクシーはもともと規制が厳しい

タクシー業界は、他の運送業に比べて、労働時間に関する規制がもともと厳しく、
長時間労働を抑制する仕組みが整っていました。
運転中の休憩時間や、1日の運転時間を制限するルールなど、
安全運転を確保するための規制が既に存在していたことから、
大きな影響を受けずに済んだという訳です。

●タクシー独特の柔軟な働き方

前提としてタクシードライバーの多くは、時間単位ではなく、
運んだ距離や時間に応じて報酬を得ています。
そのため、労働時間の制限が厳しくなったとしても、稼働時間を調整することで、
収入をある程度維持できる可能性が高いという状況があります。
加えて、タクシー業界では、シフト制が一般的で、
ドライバーが自分の都合に合わせて勤務時間を調整できることが多いです。
「日勤」「夜勤」「隔日勤務」と、ライフスタイルに応じた柔軟な働き方
選択できるため、労働時間規制の影響を受けにくいという特徴があります。

●需要と供給のバランス

現在、インバウンドの影響や配車アプリの普及を受け、
タクシーのニーズが非常に高まっています。タクシーの需要に対して、
供給側であるタクシードライバーが不足している状況なので、
タクシードライバーにとっては顧客を獲得しやすく、
効率的に稼ぎやすい状況が続いています。そして、
この傾向はこの先も続いていくと予測されています。
タクシードライバーへの需要が高い状況が続けば、
ドライバー不足を解消するために、賃金を上げたり、
労働環境を改善したりする可能性も高くなります。
結果、2024年問題による収入減少などの影響は少なくなります。

 

【タクシー業界のリアルな影響は?】

これまでは、2024年問題における
タクシー業界への影響について予測をお伝えしてきました。
では実際、2024年4月から当規制が適用され、どんな変化があったのでしょうか。
三和交通を例に、タクシー業界のリアルな影響についてご紹介します。

●改正後のタクシー会社や従業員への影響は?

結論から言うと、三和交通では「改正後の影響はほとんどない」という結果でした。
確かに日勤勤務者の拘束時間上限が「月299時間から月288時間」に短くなったため、
これまで日勤で上限ギリギリまで働いていた方には多少の影響が出ていますが、
人数としてはさほど多くありません。一方、人数の割合の多い
隔日勤務者の上限は変わらないため、影響はほとんど出ていないのが現状です。
また、三和交通ではドライバーの管理を行う運行管理者が、
もともと徹底した時間管理を行っていたため、
オペレーションとしても大きな影響はありませんでした。
実際、離職者が増えたりすることも現状はありません。

●物流ドライバーからの転職者は増えている?

続いて、物流業界からの転職者が増えているかに関しては、
「以前と比べて確実に増加している」傾向が見られました。
転職理由としては、やはり「収入面」を挙げる転職者が多いです。
これまで続けていた生活レベルを急に下げるのは大変なこと。
高収入を得ていたトラックドライバーは、
運転スキルを活かしながら高収入を維持できる
タクシードライバーへの転職を決断する人が多いようです。
長年タクシードライバー不足が叫ばれる中、
これはタクシー業界とってとてもいい影響だと言えます。
インバウンド需要などを受け、今後タクシーのニーズはどんどん高まっていくので、
転職者にとっても「将来が期待できる」
と安心感を持ちやすいマーケット状況になっています。

 

【まとめ】

ここまで「2024年問題がタクシー業界に与える影響」について解説してきました。
結論から言うと、タクシー業界でも2024年4月から
働き方改革に伴う労働時間の規制が適用されたものの、
現状その影響は少ないということが分かったかと思います。
むしろ、業界全体で労働環境の改善がさらに推進され、
「タクシードライバーとして働きたい!」という方が
もっと増える良い機会になるかもしれません。
この記事を読んで、「タクシードライバーに挑戦してみたい」
「タクシードライバーで高収入を稼ぎたい」と少しでも興味を持ったら、
ぜひお気軽に三和交通までお問い合わせください。

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