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タクシー業界は終わり?市場調査からずばり結論!

近年、自動運転タクシーの登場や、ライドシェアサービスの普及に伴い、
「タクシー業界はもう終わり」なんて噂が囁かれています。
でも、その噂は本当なのでしょうか。
そこで今回は「タクシー業界は終わりなのか」について徹底調査を実施!
タクシー業界を取り巻く状況や市場調査から、
タクシー業界の未来を予測していきます。

CONTENTS

こんな方にオススメ!

  • タクシー業界の将来性について気になる人
  • タクシードライバーに興味がある人
  • 長く活躍できる業界や職業を知りたい人

【タクシー業界は終わりなの?】

「タクシー業界は終わり」と囁かれる理由はいったい何なのでしょうか。
まずは、タクシー業界が直面している課題や
マーケットの状況から現状を分析していきましょう。

タクシー業界が直面している現状と未来

「タクシー業界が終わり」と言われるようになった背景には
いくつかの要因があるようです。
その1つが「自動運転技術」の影響です。
自動運転技術は加速度的に進歩を遂げており、
アメリカではすでに自動運転タクシー(無人タクシー)が
一部の地域で実用化されています。
もし完全な自動運転技術が確立されれば、
確かにタクシードライバーが必要なくなる可能性も否定できません。

2つ目は「ライドシェア」の影響です。
世界的にはライドシェアサービスが広く普及し、
タクシーの競合としてマーケットのシェアを拡大させています。
2024年4月からは、日本でも「日本版ライドシェア」という形で
ライドシェアサービスが一部解禁されました。
しかし、現在実施されている日本版ライドシェアは、
従来のライドシェア(欧米型ライドシェア)とは異なり、
タクシー会社がドライバーを管理・雇用してサービスが運用されています。
稼働エリアや時間帯もかなり限定的で、
タクシーが不足するエリア・時間帯を補充する形で運用されているため、
現状タクシー業界に大きな影響は出ていません。
しかし今後、規制が変わり、日本でも欧米型のライドシェアサービスが普及していけば、
マーケットシェアが大きく変わっていくのは間違いありません。

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「話題のライドシェアについて、三和交通の採用責任者に聞いてみた」の記事リンク

3つ目は、タクシー業界で長年大きな課題となっている
「タクシードライバー不足」の影響です。
少子高齢化が進む日本では運転手のなり手不足が深刻化しており、
タクシードライバーの高齢化も進んでいます。
こうした社会状況から「タクシー業界の未来は先細りになるのでは?」
という懸念が生まれているのかもしれません。

「タクシー業界は終わり」は本当なのか?

では、本当に今後タクシー業界は終わりになるシナリオを歩んでいくのでしょうか。
実は、「タクシー業界は終わり」と囁かれる一方で、
「タクシー業界は終わらない」「タクシー業界の未来はむしろ明るい」
という声も出ています。

確かに現在直面している課題は、
タクシー業界に大きな影響を与えるものではありますが、
まだまだ不確定要素が大きいのも確かです。
自動運転技術は急速に発展してはいるものの、
法律やインフラを整備するのにはまだまだ時間がかかりますし、
ライドシェアサービスに関しても各国では
ライドシェアとタクシーのそれぞれの利点を活かし、
上手く共存を果たしている状況です。
タクシードライバー不足に関しても、
裏を返せば「タクシーの需要が大きい」ということでもあります。

そこで次章からは、タクシー業界は本当に終わるのか、
事例やデータをもとに事実を整理していきたいと思います。

 

【国土交通省による規制とタクシー業界の安定性】

まずはタクシー業界の未来を予測する上で、
タクシー業界における「事業の安定性」について見てきたいと思います。

タクシー業界の新規参入が制限されている理由

知らない方も多いかも知れませんが、
タクシー事業は国土交通省の認可事業となっており、
いわゆる「公共交通機関」のひとつとなっています。
鉄道やバスと同じように、地域住民の生活を支えるものであり、
交通インフラの一翼を担う存在です。
国土交通省によって、各地域でタクシー台数は決まっており、
事業者ごとにその台数が割り当てられるため、
基本的に今からタクシー業界に新規参入するのは
難しい(ほぼ不可能)というのが現状です。

なぜ、このような新規参入制限が設けられているのかというと、
新規参入の自由化によって供給過多(競争激化)になることで、
タクシードライバーの賃金低下やサービスの質が
低下するリスクを避けるための措置とされています。
公共交通機関は、市民の生活に大きな影響を与えるため
「安全性」「安定供給」を守る必要があります。
新規参入を制限することで、地域交通の安定を維持しているという訳です。

規制による市場の安定性と長期的な安心感

上記の規制によって、タクシー業界には新規参入が入らず、
タクシーの台数も決められているため、
かなり安定した事業(ビジネスモデル)だと言えます。
国の省庁が管轄する事業のため簡単に規制を変化させることは難しいですし、
公共交通機関として地域交通に貢献する事業のため長期的な安定も期待できます。
この事実からも、今すぐに「タクシー業界は終わり」
となる可能性は低いと考えられるでしょう。

ちなみに、約7割のタクシー会社は保有台数が10台以下の小規模事業者です。
101台以上の車両を保有するタクシー会社はタクシー業界全体の2.7%ほどで、
ほんの一握りとなっています。その中でも三和交通は、
664台(2024年11月現在)の車両を保有する大規模事業者のひとつです。
規模が大きい事業者ほど、安定した経営を行うことができ、
長期的な安心感を持って働くことができます。

 

【タクシー業界の市場規模と未来予測】

次に、タクシー業界の市場規模やニーズの変化を確認しながら、
どのような未来が予測されているのか見ていきましょう。

タクシー業界の市場規模は?

2018年度でのタクシー業界の市場規模は約1.6兆円です。
同年度における同水準の市場規模の業界を例に挙げると
「新聞業界(1.7兆円)」
「ペットビジネス業界(1.6兆円)」
「ホテル業界(1.5兆円)」
「旅館業界(1.4兆円)」
となっています。
2018年度時点でタクシーの法人数は約6,000社、車両台数は約20万台、
年間の輸送人員は約15億人というマーケット規模になっており、
日本人1人当たり月に1回はタクシーを利用している計算になります。

その後、コロナ禍に突入し、
市場規模は一気に低下してしまったものの、
2022年の後半からアフターコロナによる
インバウンド需要の高まりを受け、市場規模は回復しています。
さらに国が主導してインバウンド政策を推進していくことが決定しているため、
今後さらに訪日観光客が増加していくと予測され、
タクシー業界も市場規模拡大が期待されています。

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アフターコロナでタクシー需要拡大! タクシー業界の今と未来を徹底解説!

日本国内でのタクシー利用者数とニーズの変化

日本におけるタクシーの利用者数は全体として減少傾向にあります。
移動手段が多様化し、タクシーの利用者数は年々減少していましたが、
最近では急激にニーズの拡大が期待されています。
その背景としては、先ほど挙げた「インバウンド需要」の高まりと、
「配車アプリ利用者」の増加が挙げられます。

インバウンド需要に関しては、2024年の訪日外国人数は過去最高となる
3310万人の見通しとなっています。さらに日本政府は、
2030年までに訪日外国人数6000万人という目標を掲げ、
インバウンド強化を図っています。
当然、タクシー業界にとっても新たな利用者の獲得につながり、
ニーズは急拡大していくと予測されています。

また、配車アプリの利用者数増加に関しては、
2024年末でのタクシー配車アプリ利用者数が1664万人との見通しになっており、
2027年末には利用者数が2055万人になると予測されています。
タクシーが気軽に利用でき、
これまで利用してこなかった顧客層の獲得につながっており、
タクシー利用者数の拡大が期待されています。

 

【タクシー業界の将来性】

タクシー業界にも追い風となる良い状況が舞い込んできていることが分かりました。
では、タクシー業界の将来はどう変わっていくのか、
別の視点から検証していきましょう。

●電車・バスと比較して見えてくるタクシーの将来性

そもそもの話しにはなりますが、
市民の皆さんが利用したい移動手段とはなんでしょうか。
実際に利用頻度が多いのは一般的にはタクシーよりも、電車やバスかと思います。
しかし、それは利用にあたって料金を比べ、
割高なタクシーが選択されなかった結果かと思います。
では、仮にタクシーが電車やバスと同程度の料金になったら、いかがでしょうか。
新幹線などの長距離移動を除いた短距離の移動において、
電車・バスを選択したいという方はどれ位いるのでしょうか。
仮に毎日の通勤・通学が、タクシーになった場合、
家の前まで迎えに来てくれ、目的地まで送り届けてくれるため、
電車・バスの様に駅や停留所までの間に
雨に濡れる心配や荷物を運ぶこともありません。
そして移動中のタクシー車内では他人の目を気にすることなく、
電話や仕事、軽い食事や化粧直しも可能なため、
日々の時間を最大限に有効活用できます。
この様にタクシーは公共交通機関の中で唯一、
「ドアTOドア」「個人空間」を有し、
市民が最も便利かつ快適に移動できるため、
タクシーがさらに利用しやすくなると
市民生活がより豊かになると考えられます。
結論、電車・バスと比べた際に、
タクシーが最も便利で快適な移動手段である以上、
タクシー業界の需要がなくなることはないと
考えることができるのではないでしょうか。

またその他に、タクシーの「ドアTOドア」「個人空間」
そして「個別対応」が生活に必要不可欠な方も多くいます。
忙しいビジネスマンはもちろんのこと、小さなお子様連れ、
基礎疾患をお持ちの方、足腰や目が不自由な方、妊婦さんの陣痛時など、
移動が困難になるほどタクシーの存在価値は大きくなります。
この様にタクシーはお客様一人ひとりのニーズに応える「個別対応」が出来る点も、
タクシーの需要がなくならない理由のひとつと言えます。
三和交通では、移動における”お困りごと”を解決していくことが
タクシーの将来において大切だと考え、
すでに妊婦さんやお子様が安心して一人でご乗車できるサービスや、
最近ではとペットと一緒にご乗車できるサービスなど、
数多くのサービスを展開し、より豊かな市民生活をサポートしています。

自動運転技術の影響とタクシードライバーの役割

やはりタクシー業界の未来を考える上で欠かせないのは
「自動運転技術」の影響です。
自動運転技術がこの勢いで進歩していくと、
人間が一切運転操作を行わず、車両が自律的に目的地まで移動する
「完全自動運転」が実現すると予想されています。
インフラの整備や法改正、安全性や社会的な合意形成など
課題はまだまだ残るため、技術が完成してもすぐに移行することは難しく、
当面は人間と機械(AI)が協働していく形になると予測されます。

その際、タクシードライバーは、運転業務ではなく、
管理業務にシフトされていくと考えられます。
自動運転を遠隔で監視する役割や、乗客に対する対人サービスの対応、
車両のメンテナンス業務などを担うことが予想されます。
技術の発展によりドライバー自体の数は減っていったとしても、
それに代わる新しい雇用・役割が生まれます。
自動運転が実現する未来を見据え、ITスキルの向上や人間にしかできない
接遇・コミュニケーションスキルの向上を図ることも将来的には大切かもしれません。

高齢化社会でのタクシーの需要拡大

技術の進歩が進む一方、日本社会の高齢化はどんどん進行し、
移動手段としてのタクシーの需要は今後さらに高まっていくと予測されています。
2025年には約800万人の団塊の世代が後期高齢者世代を迎え、
「2025年問題」として社会問題にもなっています。
高齢者になると、体力的な衰えや病気などにより、
バス・鉄道などの公共交通機関の利用が困難になるケースも増えます。
その点、タクシーは公共交通機関の中でも唯一となる
「ドアTOドア」で移動できる交通手段です。
最近では安全面を考慮して、高齢者の運転免許返納が進んでいるので、
さらにタクシーの需要は高まっていくことでしょう。

今後、高齢化社会に対応し、バリアフリー車両の普及が
さらに進んでいくと予測されます。
買い物代行サービスや定期的な通院による
サブスクリプションなど高齢者向けサービスが増えていきます。
未来のタクシー会社には、交通手段としてだけでなく、
既存の枠を越えた新しいサービスが必要になってくるのかもしれません。

 

【結論!終わらないタクシー業界!そしてドライバーの魅力とは】

ここまでタクシー業界の未来を予測した結果、
「タクシー業界はまだまだ終わらない可能性が高い」
ということが分かっていただけたかと思います。
いくつか懸念点や課題はあるものの、今後は需要が高まっていくと予測され、
将来性のある業界だと言えるでしょう。
それでは最後に、タクシードライバーという仕事の魅力についてお伝えしていきます。

タクシードライバーが持つ安定した収入源

タクシードライバーは、
これまで述べてきたタクシー業界の安定性だけでなく、
「収入面の安定性」も大きな魅力です。
これまでタクシードライバーは
「歩合給で収入が不安定」「経験や能力によって収入差が激しくなる」
というイメージを持たれてきましたが、
現在では安定した収入源を確保することができ、
未経験から稼ぎやすい仕事のひとつとされています。

実際、三和交通における2023年の
全ドライバーの平均年収は【533万円】となっています。
日本全国における2022年の
タクシードライバーの平均年収は【361万3300円】なので、
かなり高い水準と言えます。
「地域における知名度」「教育制度」「無線配車率」
などを考慮して入社するタクシー会社を選ぶことで、
より安定した収入を得やすくなります。

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タクシードライバーの給料ってぶっちゃけどれくらい? 年収から手取り、稼ぐためのコツまで詳細に解説します。

毎日がドラマ!接客が魅力

また、タクシードライバーの魅力といえば、
たくさんの人との出会いがあります。
タクシードライバーは、毎日が一期一会のドラマのような日常です。
隔日勤務の方だと、毎日30組、
多ければ50組以上ものお客様をお乗せすることもあります。
年齢も、性別も、国籍も、利用目的もさまざま。
「今日はどんなドラマに出会えるかな」と
ワクワクした気持ちで毎日を迎えられるのもタクシーならではの面白さです。

「タクシードライバーになると、どんな出会いが待っているのか」
気になる人は下記のリンクから、
タクシードライバーが実際に経験したショートドラマを読んでみてください。

一期一会の出会いが生むショートドラマ

 

【まとめ】

いかがだったでしょうか。様々な事実を読み解いていくと
「タクシー業界は終わらない!」
という安定性や将来性に気づいてもらえたかと思います。
「この業界は終わる」「この業界に先はない」
と単なる噂で結論づけるのではなく、
きちんとマーケット状況や情報を分析した上で、
「もしかしたらこんな未来が待っているかもしれない」
と予測していくことが、
これからの社会を生きていく上では重要なのかもしれません。
この記事を読んで、
「タクシードライバーとして働いてみたい」
「タクシー業界で活躍したい」
と少しでも興味を持ったら、
ぜひお気軽に三和交通までお問い合わせください。

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