タクシー物語 神奈川・東京・埼玉編

小さなサンタクロースからの贈り物

手作りのクリスマスブローチ

入社5年目

N.H

一部のドライバーがサンタクロースの格好に扮するクリスマスシーズン限定のイベント「サンワクロース」。その日、サンタクロースになって2年目の私のタクシーに乗車したのは、小学校低学年ぐらいのお子様とその親御様でした。仮装姿が面白かったのか、ご機嫌な様子で笑顔を見せるお子様。もっと喜んでもらおうとクリスマスにちなんでお菓子をプレゼントすると、思いがけない展開に。「これ、作ったからあげる」。小さな手から渡されたのは、手作りの可愛いクリスマスブローチでした。

お客様を喜ばせるはずだったのに、気づけば私の方が笑顔になっている。そんな小さなサンタクロースからの贈り物。聞けば、普段は放課後等デイサービスに通っていて、そこで作ったブローチとのこと。一生懸命作ったことがひと目でわかる、気持ちのこもった心温まる素敵なクリスマスプレゼントです。それ以来、毎年クリスマスシーズンになると予約が入り、プレゼント交換をする関係性に。気づけば今年で4回目のクリスマス。初めてプレゼントをもらって以来、イベント期間中はブローチを胸につけて営業するのが二人の中での約束事。1年の最後を締めくくる年末の繁忙期を乗り切るための励みにもなっています。

「今年はどんなブローチかな」。クリスマスが近づき、そう思うたびに、少しだけ童心に返る自分がいます。

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