タクシー物語 神奈川・東京・埼玉編

タクシーには、人生を変える出会いがある

あるお客様との出会いが人生を変えるきっかけに

入社6年目

H.K

人生には、今後を変えるような大切な出会いがあります。
これは、私にとって人生の再出発を果たすきっかけとなったエピソードです。

タクシードライバーになる前、私は冠婚葬祭の仕事を10年間続けてきました。
冠婚葬祭は高い接客スキルが求められる仕事。
私も人並み以上に接客スキルを身に付けたつもりでいましたが、
10年目を迎えたとき、自分の中に大きな「欠陥」があることに気がつきました。
それは「思いやりの心」が欠けているということ。そして私は、その理由に心当たりがありました。

私は大切な家族を事故で亡くし、それ以来、
深い寂寥感と無力感に苛まれながら日常を送ってきました。
それは仕事にも表れ、本当は深く理解できるはずの遺族の方々に対して、
取り繕った対応をしていることに気づき、業界を去ることに決めました。

タクシードライバーに再就職した後も、その思いは変わらず、
たとえモニター結果でパーフェクト評価をもらっても
「いい接遇」ができている感覚はありませんでした。

そんなある日、とあるお客様をお乗せしました。
会話をするうちに、偶然にもそのお客様は私の亡くなった妻の友人だということが分かりました。
生前、妻がよく私の自慢話をしていたこと。優しい心の持ち主だと尊敬していたこと。
など、私が知らない妻の言葉を教えてもらい、「自信を持ってください」と励まされました。

亡くなった家族に恥じない人生を送ろう。
この出会いで、私は本当の意味で再び人生を歩むことができるようになりました。
今の目標は、お客様から10回連続パーフェクト評価のアンケートはがきをもらうこと。
そのために「心を込めて」日々業務を行っています。

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