
業界のこと
運転の仕事は好き。でも、体も心も限界に…。 トラックからタクシーへ転職して変わった働き方とは?

タクシードライバーとして活躍している人の前職は、実にさまざま。
中でも近年増えているのが、物流業界からの転職者です。
今回インタビューしたのは、物流業界で配送ドライバーとして働いていた平野さん。
長時間労働や体力的な限界を感じたことをきっかけに、タクシー業界に飛び込みました。
「なぜ物流からタクシーへ転職したのか?」「配送の経験はどう活きているのか?」
「生活はどう変わったのか?」など、気になるリアルを本音で語っていただきました!
CONTENTS
こんな方にオススメ!
- タクシードライバーに興味がある人
- 物流業界からタクシー業界への転職を検討している人
- 自分らしい働き方を見つけたい人
【今回取材した現役ドライバーをご紹介】
●平野さん
・年齢46歳 タクシードライバー歴:約10年(取材時)
・経歴:高校卒業後、スーパーや飲食業、パチンコ店など接客業を中心に勤務。
33歳で運転免許を取得し、配送ドライバーに転職。
過酷な労働環境により体調を崩し、将来を見据えてタクシー業界へ。
未経験から三和交通に入社し、現在は自分のペースを大切にしながら活躍中。
【物流ドライバーからタクシードライバーへ】
●これまでの経歴を教えてください
高校卒業後、最初に就職したのはスーパーの店員でした。
その後、飲食店やパチンコ店など、接客業を中心にさまざまな職場を経験。
パチンコ店が一番長くて8年ほど働いていたんですが、
その頃までは運転免許も持っていなかったんです。
30代に入ってから「運転って面白そうだな」と思い立って、
33歳のときにようやく免許を取得しました。
運転するうちに「これは仕事にできたら楽しいかもしれない」と思うようになり、
先輩の紹介もあって物流企業に入社しました。
配送ドライバーとして3年間働いたものの、
あまりにもハードな環境で体を壊してしまい、
将来のことも考えてタクシー業界への転職を決意しました。
●物流ドライバーからタクシーに転職した理由は?
配送ドライバーの仕事が本当に大変で。
時間指定や配達量のプレッシャーがすごくて、
朝7時に出勤して日付が変わるまで働く日も珍しくなかったです。
週に1日休めればいいほうで、体力的にも精神的にも限界を感じていました。
「このままでは続かないな」と思っていた矢先、やはり体調を壊してしまって。
運転そのものは好きだったので、
もっと自分のペースでできる仕事はないかと探していたところ
「タクシー」という選択肢が出てきました。
「運転がメインで、なおかつ自分の時間も確保できるなら」と気軽な気持ちでスタート。
特別なきっかけがあったわけではないですが、思い切って飛び込んで正解でした。
●三和交通を選んだ理由は?
いくつかのタクシー会社の情報をネットで調べている中で、
三和交通の名前が目に留まりました。
特に「研修制度がしっかりしている」という点に惹かれましたね。
僕は完全な未経験者だったので、
まずはきちんと教えてくれる環境があるかどうかが大事でした。
実際に入社してみて感じたのは、期待以上の丁寧な教育体制。
タクシーの業務だけでなく、安全運転や接客の基本までしっかり学べたので、
安心して現場に出ることができました。
三和交通の研修については詳しくはこちら
【タクシードライバーになって変わったこと】
●生活はどのように変わった?
タクシーの仕事に就いてから、
生活面で大きく変わったのは「自分の時間を持てるようになったこと」ですね。
前職の配送では、朝から深夜まで働き詰めで、休みも週1あるかどうか。
せっかくの休日も、疲れが抜けず寝て終わるだけでした。
でも今は、1日おきの勤務スタイルなので、
明けの日の昼間に自由な時間ができるんです。
買い物に出かけたり、大好きなキャンプに出かけたり、友達と一緒に過ごしたり。
日常に余裕ができて、気持ちの面でもすごくリフレッシュできています。
「今日は何をしようかな」と考えられるようになったのは、
働き方が変わったからこそですね。
働きながら、ちゃんと人生を楽しめるようになったという実感があります。
●収入は減った?増えた?
収入に関しては、実は配送時代とあまり変わっていません。
「基本給+歩合給」という給与体系なので、
もちろん頑張ればもっと稼ぐこともできますが、
僕は自分のペースを大事にしているので、
月収は手取りで大体30万円前後に落ち着いています。
調子がいい時や繁忙期は40万円を超える月もありますが、
毎月安定してそのくらいあれば十分かなと。
無理して働き続けて体を壊すより、
自分のペースで無理なく働けるほうがいいと思っているので、
そこはあえて攻めすぎないスタイルでやっています。
収入よりも、心の余裕やストレスの少なさのほうが、今の自分にとっては大事です。
タクシーの仕事は、自分次第で調整が利くところが大きな魅力ですね。
●タクシードライバーになって一番の変化は?
タクシーの仕事に就いて、何より感じるのは
「仕事に対する満足感」が戻ってきたことですね。
以前は、ただ目の前の配達をこなすだけで、
「働くって何だろう?」と感じることが多かったです。
でも今は、お客様から「ありがとう」「安心して乗れたよ」と
声をかけてもらえる瞬間があり、
そのたびに「やってよかった」と思えるんです。
加えて、家に帰ってからの過ごし方も変わりました。
ゆっくりご飯を食べたり、趣味に時間を使ったり、
そんな「当たり前の幸せ」を味わえるようになったのは、大きな変化です。
生活のなかで「満たされる瞬間」が増えたこと。
それがこの仕事の一番の価値かもしれません。
【物流業界出身だから実感するタクシーの魅力】
●自分で戦略が立てられる面白さ
タクシーの仕事って、ただ走り回るだけじゃないんです。
例えば、昼は住宅街で高齢者を中心に短距離をこなして回数を稼ぐ。
夜はイベント会場や新幹線の駅で、一発狙いで遠距離のお客様を狙う。
そんなふうに、自分なりの「動き方」をつくっていけるのがこの仕事の面白さです。
僕自身、10年の経験で「今日はこの時間帯ならあの場所が良さそう」とか、
「イベント終わりを狙ってみよう」といった判断が自然とできるようになりました。
これは、以前の仕事にはなかった「戦略を練る楽しさ」です。
働き方に自分の色を出せるからこそ、気持ちにも余裕が生まれるんだと思います。
●人との出会いがあるから毎日が楽しい
タクシーの仕事の魅力は、やっぱり「人との出会い」だと思います。
誰が乗ってくるか分からないし、同じ日は二度とない。
この一期一会の面白さは、配送ドライバーにはない魅力です。
お坊さんが乗ってきて人生観を語ってくれたこともあれば、
ただの雑談で大笑いして終わった日もあります。
特に年配の方との会話は学びが多くて、料理の話や昔の話など、
いろんなことを教えてもらえるんです。
僕自身、話すのは嫌いじゃないし、
まずは笑ってもらえるような話題を選ぶようにしています。
お客さんが「楽しかった」と言って降りていってくれると、
すごく嬉しいですね。
ただ目的地に送るだけじゃなく、その時間を「いい時間」にできるのも、
この仕事の魅力だと思います。
●一人業務だけど一人じゃない、仲間との絆
タクシーの仕事って一見「一人でやる孤独な仕事」に見えるかもしれません。
でも実際はまったく違って、仲間とのつながりがすごく強いんです。
同じエリアを走るドライバー同士で情報を共有したり、
どこでお客さんが多いか教え合ったり。
先輩たちは本当に惜しみなく教えてくれましたし、
僕自身も後輩に伝えることを心がけています。
仕事の話だけじゃなくて、プライベートでも仲が良くて、
年に何回か温泉旅行に行ったりもするんです。
年齢も30代から60代までバラバラだけど、気が合えば関係ないですね。
仕事の話はそっちのけで、みんなで飲んで笑って、リフレッシュできる時間がある。
こういう仲間がいるから、10年続けてこれたんだと思います。
【物流ドライバーからの転職を考えている方へ】
●配送トラックでの経験が活かせる
物流業界で働いていた頃の経験は、今のタクシーの仕事にも活きていると感じます。
特に運転に対する意識や技術面では、大きなアドバンテージになっていますね。
狭い道や混雑した道での対応、時間管理の感覚など、
配送時代に鍛えられた部分は多いです。
あの頃は「厳しいな」と思っていましたが、
今思えばあれがあったからこそ、
タクシーでも安全運転を徹底できているんだと思います。
運転はもちろん、接客に関しても、
もともと飲食や接客業の経験があったので、抵抗はありませんでした。
配送業からの転職は不安もあると思いますが、
同じ「運転をする仕事」なので、相性はいいはず。
僕のように話好きな人なら、なおさらピッタリの仕事だと思いますよ。
●体力面に不安がある人にこそオススメ
配送ドライバーの仕事は、本当に体力勝負だと思います。
若いうちはなんとかなっても、40代、50代になってくると、
徐々に無理が効かなくなってくる。
僕自身も、当時は将来のことを深く考えていなかったけど、
今振り返ると「あの時思い切って転職して良かった」と心から思えます。
その点、タクシーは体への負担はそこまで大きくありません。
もちろん長時間の乗務で疲れることはありますが、歩き回るわけではないし、
自分で休憩時間をコントロールできるから、負担は全然違います。
年齢を重ねても長く働ける仕事だと思いますし、
「この先ずっと配送は厳しいな」と感じている方には、
ぜひ選択肢の一つとして考えてみてほしいですね。
●自分らしいあり方がきっと見つかる
この仕事のいいところは、
「こうしなきゃいけない」という型が決まっていないことです。
たとえば、朝型の人は早い時間から動けるし、
夜型の人は夜に稼ぐこともできる。
目標売上をガンガン狙うのも良し、
自分の生活リズムを優先して働くのも良し。
僕は後者のタイプですけど、どちらのスタイルも尊重されるのが
タクシードライバーのいいところだと思います。
続けていくうちに、自分にとって一番心地よい働き方、
いわば「自分の型」が自然と見えてくる。
配送のように「与えられたルートをこなす」働き方とは違って、
タクシーは「自分でつくる働き方」なんです。
だからこそ、長く続けられるんだと思います。
また、タクシーという仕事はキャリアパスも豊富。
実は僕も一時期、タクシー乗務から離れて、
数年間、社内で運行管理の仕事をしていたことがあります。
乗務員の点呼やシフト管理、車両の安全確認など、
いわゆる「裏方」のポジションですね。
現場を経験しているからこそ、ドライバーの気持ちもわかるし、
やりがいも感じました。
でも僕はやっぱりデスクワークが苦手で、
最終的には再びドライバーに戻りました。
けれど、そういう選択肢があるのも三和交通のいいところ。
ドライバーとして経験を積んだあとに、
管理職や教育担当といったキャリアを目指すこともできます。
「ずっと乗り続ける」だけではなく、「現場を知る人材」として、
社内で違う役割を担うこともできるんです。
だからこそ、いろんなタイプの人に可能性がある業界だと感じています。