
業界のこと
物流業界からタクシー業界へ転職した2名にインタビュー。 元物流ドライバーが語る“タクシーとの共通点や違い”とは?
タクシー業界には、物流業界からの転職者が数多く活躍しています。
「運ぶ」という共通点はあるものの、
「モノを運ぶ仕事」と「ヒトを運ぶ仕事」では、
どんな違いがあるのでしょうか。
そこで今回、大手物流企業で長年勤務し、
センター長まで務めた渋谷さんと、
大手物流企業から個人委託配送まで様々な配送業務を経験した
小岩井さんのお二人にインタビューを実施。
豊富な物流ドライバー経験を持つ彼らが、
なぜタクシーという新たな道を選んだのか。
転職のきっかけから現在のやりがいまで、
リアルな声をお届けします。
CONTENTS
こんな方にオススメ!
- タクシードライバーに興味がある人
- 物流業界からタクシー業界への転職を検討している人
- 配送ドライバーとの共通点・違いを知りたい人
【今回取材した現役ドライバーをご紹介】
●渋谷さん
・年齢45歳 タクシードライバー歴:約半年(取材時)
・経歴:大学卒業後、引っ越し業務・コープ配送などを経て大手物流企業へ。
ドライバー業務と管理業務を兼任しながら、センター長としても活躍。
業務効率や収益重視の働き方に疑問を感じ、
自分のペースで人と関わる仕事を求めて転職を決意。
2024年11月に三和交通へ入社し、横浜営業所にて乗務中。
●小岩井さん
・年齢36歳 タクシードライバー歴:約1年(取材時)
・経歴:音楽活動を経て、コープ配送・大手物流企業などで配送業務に従事。
個人事業主として委託配送も経験。長時間労働と不安定な働き方に限界を感じ、
転職エージェントの紹介で三和交通と出会う。
2023年8月に入社後、センター南営業所にて地元エリアを中心に乗務。
接遇委員として後輩指導にも関わるなど、現場での信頼も厚い。
【物流ドライバーからタクシーへの転職理由】
●渋谷さんの物流キャリアと転職のきっかけ
(渋谷さん)
もともと運転が好きで、20代の頃から引っ越しや
コープ配送の仕事に従事してきました。
その後、大手物流企業に入社し、
現場のドライバー業務と管理業務を兼任しながら、
センター長として10年以上勤務。お客様対応はもちろん、
チーム運営や収支管理などにも携わり、
気づけば約17年間、物流の最前線で働いていました。
けれど、年々感じるようになったのが
「自分がやりたいことと、会社の方向性とのズレ」でした。
どうしても利益優先の体制のなかで、
現場の声やお客様への思いが置き去りにされていくように感じてしまって。
そんな日々に違和感を覚え、自分自身のモチベーションも下がっていきました。
「この先、ずっと同じ働き方を続けていけるだろうか」
「もっと自分に正直に働きたい」そう考えるようになったのが、
転職を意識し始めたきっかけです。
●小岩井さんの物流キャリアと転職のきっかけ
(小岩井さん)
専門学校卒業後は音楽の道を志し、バンド活動を中心に過ごしていました。
音楽の夢に区切りをつけた後は、いくつかの物流系企業で
ドライバーとして働いてきました。
正社員だけでなく、個人事業主として委託配送も経験し、
週60時間以上働く生活を続けていたこともあります。
運転自体は好きだったのですが、どこかでずっと
「自分には合っていないのでは?」という思いも正直ありました。
特に前職の大手物流企業では、
残業削減の煽りで夜間帯の配送を一人で担当することになり、
プレッシャーと業務量に疲弊していったんです。
「このまま続けていたら、身体も心も持たない」と思い、転職を決意しました。
●物流時代に感じていた限界とタクシー業界に期待したこと
(渋谷さん)
物流は「物を運ぶ」大切な仕事ですが、
どうしても“やらされている感”が拭えませんでした。
責任ある立場になればなるほど、数字や指示に追われてしまい、
現場で汗を流すスタッフやお客様の満足が後回しになってしまうことも。
そんな環境に疲れた自分にとって、タクシーは
「もっとお客様と近く」「もっと自分の裁量で動ける」仕事に映りました。
実際に転職した先輩の話を聞いて、
“自分らしく働ける”職業なんだと知ったのが、背中を押してくれました。
【タクシー業界に入って驚いたこと・不安だったこと】
●入社して不安だったことは?
(渋谷さん)
同じ運転をする仕事ですが、正直、不安だらけでした。
45歳という年齢もそうですが、ずっと物流畑だった自分が、
タクシー業界に飛び込んで通用するのか。
特に「道を覚えられるか」「営業ってどうやるんだろう」
「収入はしっかり確保できるか」といった不安がありました。
とはいえ、「自分のペースで働ける仕事」という点では強く惹かれていたので、
「やってみなきゃわからない」という気持ちで思い切って飛び込みました。
※物流業界とタクシー業界の収入の違いについては、
こちらの記事も合わせてご覧ください。
(小岩井さん)
不安だったことは“道”です。
物流も長くやってきましたが、基本的に決まったルートしか走らなかったので、
タクシーのように毎回行き先が変わる仕事は初めて。
正直、最初は「本当にやっていけるのかな」と不安でした。
でも、そこで意識したのが「まずは地元エリアに絞って動く」こと。
自分の地元である日吉エリアは、昔から土地勘があるし、
三和交通の無線やGOアプリの配車も多い地域。
まずはそこを重点的に回ることで、
「ここなら大丈夫」と思える範囲が徐々に広がっていきました。
知らないエリアに無理に出るよりも、まずは“得意”をつくる。
これは新人ドライバーにぜひ伝えたいポイントですね。
※小岩井さんの他にも、現役ドライバーに聞いた「道を覚える方法やコツ」は、
こちらの記事にもまとめていますので、ぜひご覧ください。
●三和交通を選んだ理由とは?
(渋谷さん)
三和交通に決めた理由は、知人がすでに働いていて
「本当にいい会社だよ」と勧めてくれたことが大きいです。
物流ドライバーからタクシードライバーに転職する人は本当に多くて、
今の事業所だけでも元同僚(元大手物流企業の出身者)が4~5人ほどいます。
どちらの業界も知っている人からの言葉だったので、説得力がありましたね。
また、SNSやホームページを見ても、
三和交通は他のタクシー会社と比べて取り組みがユニークで、
イベントや接遇にも力を入れている点もポイントでした。
自分も働くなら、ただ“走るだけ”の仕事より、
そういった付加価値のある環境がいいなと思っていたので、
すごく魅力的に映りましたね。
(小岩井さん)
僕は転職エージェントを通じて三和交通を紹介されて、
最初は正直“タクシーってどうなんだろう”って半信半疑でした。
でも話を聞くうちに、隔日勤務の働き方とか、
「歩合制+社会保険あり」という仕組みがすごく合理的で、
自分に合っているなと感じました。
あとは、地元でよく三和交通のタクシーを見かけていて、
「なんか印象がいいな」と思っていたのもありました。
実際に営業所を訪れたとき、挨拶や対応がとても丁寧だったのも決め手でしたね。
※タクシードライバーの働き方「隔日勤務」についてもっと知りたい方は、
こちらも記事もご覧ください。
●入社後に感じたギャップや安心できたポイント
(渋谷さん)
一番のギャップは、接遇研修の丁寧さでした。
物流では“効率重視”の仕事でしたが、三和交通では
「お客様をお迎えする」ことの大切さを徹底して教えてくれる。
そこが印象的でしたし、実際に乗務を始めてからも、
研修で学んだことが現場でしっかり活きているのを実感しています。
道に関しても、最初は不安でしたが、お客様との会話や経験の中で
徐々に慣れていけたので、今はそこまで心配していません。
※三和交通の研修制度について、詳しくはこちらをご覧ください。
(小岩井さん)
ギャップでいうと、意外と“自由に働ける”ってところです。
もちろん売上は意識しますが、
「今日はちょっとのんびりやろうかな」みたいに自分で調整できるのがいいですね。
あと、研修中に先輩から「最初は売上のことは気にしすぎなくていい。
まずは体を慣らして」と言われて、すごく救われた記憶があります。
会社として“人を育てる姿勢”があると感じられて、そこが安心材料でした。
※三和交通の給与保証制度と稼げる仕組みについては、
こちらからご確認ください。
【物流とタクシー、共通点と決定的な違い】
●物流時代のテクニックは大きな武器になる
(小岩井さん)
僕も同じで、「運転する」という技術そのものは
物流とタクシーで通じる部分が多いです。
ただ、タクシーはお客様が後ろに乗っているという緊張感が常にあります。
物流では多少の振動や急ブレーキでも大きな問題にはなりませんでしたが、
タクシーでは一つひとつの操作が“サービス”として見られます。
そこがすごく繊細で、違いを感じる部分ですね。
でも、実はその「繊細さ」に対応できているのは、
過去の経験があるからだとも思っています。
僕がいた物流会社は、運転に関してかなり厳しい環境で、
当時は正直プレッシャーも大きかったですけど、今振り返れば、
そこで叩き込まれた“安全運転の基礎”が今の自分を支えています。
実際、三和交通に入ってからも無事故・無違反を継続できているのは、
そうした教育の積み重ねがあるからだと思っています。
運転の「正確さ」と「丁寧さ」は、どの業種でも武器になると実感しています。
●似ているようで違うドライバーの仕事
(渋谷さん)
一見すると、物流もタクシーも「車を運転する仕事」で、
似ているように思われるかもしれません。
確かに、ハンドルを握り、安全に目的地へ向かうという基本動作は共通しています。
でも、実際にやってみると、違う部分も多いと感じました。
たとえば、物流は基本的に決まったエリアを、
決まったルートで回ることが多いんです。
ある意味ルーティン化された業務ですし、道に迷うことは少ない。
一方、タクシーは毎回行き先が違う。
ルートもお客様の希望によって変わるし、臨機応変な判断が求められます。
加えて、車のサイズも異なりますし、“人を乗せている”という緊張感もあります。
それに、物流は基本的に対面時間が短く、会話も最小限。
でもタクシーは接客が仕事の一部。
声のトーン一つ、ドアの開け方一つで印象が決まるので、
気配りや柔軟性も欠かせません。
同じ“ドライバー”でも、求められるスキルもマインドもまるで違う。
それを実感するたびに、
「運転のプロとしてもう一段階成長できる環境だな」と思います。
※接遇に力を入れている三和交通では、接客業からの転職者も
多数活躍しています。気になる方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
●個人事業主と会社員ドライバーの決定的な違い
(小岩井さん)
僕は以前、個人委託ドライバー(個人事業主)をやっていたことがあって、
そのときは本当に自由でした。
でも、裏を返せば“完全に自己責任”ということでもあるんですよね。
休みも取れないし、社会保険もないし、
事故やトラブルが起きたときはすべて自分で責任を取らないといけない。
長時間働けば稼げるけど、長くやれる仕事ではなかったです。
その点、今のタクシー業務は「やった分だけ稼げる」歩合制の部分を残しつつも、
会社のサポートがしっかりあるのが大きな違いです。
社会保障もあるし、隔日勤務でしっかり休める。
無理なく、でもちゃんと評価される。
この“バランスの良さ”が、会社員ドライバーの魅力だと思います。
【タクシードライバーになって良かったこと】
●渋谷さんが感じる“心の余裕”と自分らしさ
タクシーに転職して一番実感しているのは、「心の余裕」が戻ってきたことですね。
物流時代は、センター長という立場もあり、常に責任や数字に追われていました。
やりがいはあるけれど、気持ちが張りつめたまま何年も過ごしていた感覚です。
今は、出勤日には全力で走るけれど、
明けの日は自分の時間としてしっかりリフレッシュできます。
1日単位で仕事が完結するので、翌日に持ち越すストレスもない。
そんなメリハリのある働き方ができているからこそ、
仕事にもより前向きに取り組めている気がします。
あとは、働き方の自由度が高いのもいいですね。
調子のいい日はしっかり営業、
少しペースを落としたい日は自分の感覚で調整もできる。
心にゆとりを持って働けている感覚があります。
まだ入社して半年ほどですが、以前働いていた物流企業時代の同僚と
ご飯を食べに行ったときに「なんだか表情が柔らかくなったね」と言われました。
自分では気が付きませんでしたが、心の余裕が表情に表れていたのかもしれません。
●小岩井さんが語る“自由度の高さとプライベートの充実”
(小岩井さん)
物流時代のような長時間労働から解放された今、
改めて「働き方って大事だな」と感じています。
タクシーの仕事は、確かに勤務時間は長いけれど、そのぶん翌日は必ず休み。
月の出勤は実質半分くらいなので、
体力的にも精神的にもすごくラクになりました。
特に気に入っているのは、乗務中の休憩の取り方が自由なところです。
僕はよく、夕ご飯を自宅に戻って妻と一緒に食べています。
以前よりも家族と過ごす時間が増えましたし、
疲れていたら仮眠を取ることもできます。
こんな働き方ができるとは、正直思っていませんでした。
そして、営業所の雰囲気もとても良くて、
気の合うドライバー仲間とカラオケ部で息抜きできる時間もあります。
この前も、20人近いメンバーでカラオケに行ってきました。
仕事もプライベートも、今のほうがずっと充実していますね。
※タクシードライバーの休日の過ごし方についてもっと知りたい方は、
こちらの記事もぜひご覧ください。
●物流にはなかった「感謝の言葉」と「地域とのつながり」
(渋谷さん)
物流では、お届け先のお客様に会うことはあっても、
深く関わることはあまりありませんでした。
でもタクシーでは、乗車中の会話や降車時の一言に、
温かい言葉をかけていただくことが多い。
特に、足が不自由な方や体調がすぐれない方の役に立てたときは、
「自分の仕事が誰かの力になっている」と実感できて嬉しくなります。
(小岩井さん)
地域とのつながりを感じる場面は本当に多いです。
地元エリアを中心に営業していることもあって、
「この前も乗ったよ」と声をかけてもらえることも増えてきました。
以前、スーパーで大量の荷物を抱えて困っていたおばあちゃんをお乗せして、
荷物を運ぶのを手伝ってあげたことがあって、
「こんなに優しくしてくれたのは三和さんだけ」
と言われたのは、今でも忘れられません。
こうした瞬間が、この仕事のやりがいにつながっています。
【まとめ】
いかがだったでしょうか。
長年、物流業界で運転のプロフェッショナルとして働いてきた
渋谷さんと小岩井さん。
お二人の言葉からは、「運ぶ」仕事に誇りを持ちつつも、
タクシーという新たなフィールドで“人と直接つながる”やりがいや、
“自分らしく働ける環境”を見つけた様子が伝わってきました。
「物流の仕事に限界を感じている」「運転のスキルをもっと活かしたい」
「今よりも柔軟に働きたい」そんな想いを持つ方にとって、
タクシードライバーという選択肢はきっと大きな可能性を秘めています。
この記事を読んで、
「タクシードライバーとして働いてみたい」「タクシーの仕事って面白そう」
と少しでも感じた方は、ぜひお気軽に三和交通までお問い合わせください。