三和交通 タクシー学園

業界のこと

研究者・民宿経営・福祉職を経て、50代からの再出発。 多彩な経歴を持つ50代ドライバーがタクシーを選んだ理由。

タクシードライバーとして活躍している方の経歴は実にさまざま。
なかには「本当にこんなキャリアの人が!?」
と驚くようなバックグラウンドを持つ方もいます。
今回ご紹介するのは、地球温暖化等の研究者としてキャリアをスタートし、
沖縄の離島で民宿を営み、福祉相談員など
様々なキャリアを歩んできた異色のドライバー・江口さん。
50代後半で三和交通に入社し、
まったくの未経験からタクシー業界に飛び込んだ江口さんに、
「なぜ今タクシーを選んだのか?」「未経験でも本当にやっていけるのか?」
「この仕事ならではの魅力とは?」といった疑問をぶつけてみました。
人生経験豊富な“59歳新人ドライバー”のリアルな声、ぜひお楽しみください!

CONTENTS

こんな方にオススメ!

  • 50代でタクシードライバーに挑戦してみたい人
  • 50代ドライバーの働き方やマインドを知りたい人
  • タクシードライバーのリアルが知りたい人

【今回取材した現役ドライバーをご紹介】

●江口さん

・年齢:59歳 タクシードライバー歴 約1年半(取材時)
・経歴:大学院で航空宇宙学を専攻後、
文部科学省関連の研究機関で地球温暖化や炭素循環に関する研究に従事。
その後、沖縄・石垣島や鳩間島に移住し、民宿経営、
ケーブルテレビ局での番組制作、ホームページ制作業務、
酒造での製造補助など幅広い職種を経験。
50代後半で地元神奈川に戻り、福祉相談員を経て2023年に三和交通へ入社。
未経験からの挑戦ながら、自分のペースで働ける自由度の高さや、
人との出会いに魅力を感じながら、日々奮闘中。

 

異色すぎる多彩なキャリアの歩み

●宇宙開発から地球温暖化まで研究職として活躍

大学院では航空宇宙工学を専攻していて、
当時は宇宙開発の分野に強い関心がありました。
その延長で、地球科学や炭素循環の研究にも携わるようになり、
30歳になる頃に文部科学省関連の研究所に就職しました。
そこでは地球温暖化に関するシミュレーションやCO2の循環モデルの開発など、
まさに“地球の未来”に向き合うような研究をしていました。
ですが、理想と現実のギャップも大きくて。
いわゆる官僚的な仕組みや出世主義に嫌気が差してしまって。
本当に意味のある研究が、上層部の思惑ひとつで無駄になっていく。
その現実を前に、「自分の仕事に誇りが持てない」
と感じるようになってしまったんです。

●石垣島へ移住。民宿経営と地域密着型の暮らし

研究の世界に限界を感じた私は、
当時よく旅行していた沖縄・石垣島に思い切って移住することに。
そこで、縁があって民宿経営をスタートしました。
きっかけは知人からの「閉める予定の宿を引き継がないか」というお誘い。
観光の繁忙期とオフシーズンの落差は大きかったですが、
都会の喧騒から離れて、毎日訪れる旅人たちと
語らいながら暮らす日々は本当に楽しかったですね。
今振り返っても、人生で一番充実していた時期かもしれません。
自然と人に囲まれて過ごす中で、
「誰かの思い出に残る場所をつくる喜び」を感じられたのが印象的でした。

●メディア・IT・酒造・福祉職まで…多彩な職歴

民宿の経営だけでは生活が難しく、オフシーズンは地元の焼肉屋、
ビル管理会社、ケーブルテレビ局など、さまざまな仕事を経験しました。
中でも石垣ケーブルテレビでは、番組制作から取材、アナウンサーまで一通り担当。
その後は、海ぶどうの養殖に関わったり、
海外向けホームページ制作や新規事業の調査を行ったり、
さらには神奈川の酒蔵での冬季勤務まで、本当に様々な仕事を経験してきました。
すべての職場で共通しているのは「今自分にできることを全力で」という気持ち。
思えば、ずっと“自分らしく生きる”ことを優先してきたんだなと感じます。
その後、50代になったころ、父親の介護の関係で地元神奈川に戻ることに。
そこで、福祉相談員として働きはじめました。

 

50代からタクシー業界を選んだ理由

●前職、福祉職時代の葛藤

三和交通に入る前は、生活保護を受けている方々の支援を行う
「福祉相談員」の仕事をしていました。
相模原市内で約60名を担当し、それぞれの生活課題に寄り添う仕事です。
病院の付き添いからお金の管理、時には遺品整理まで…。
正直、心が押し潰されそうになる場面も多くありました。
60人分の人生を抱えるのは、並大抵のことではありません。
さらに給料も安く、休日に連絡もかかってくるため、心の休まる時がない。
自分の生活や趣味すら後回しにせざるを得ない毎日に、限界を感じたんです。

●時間・収入・働き方。現実的な3つの決断理由

タクシー業界を選んだのは、「時間」「収入」「働き方」
の3つを現実的に考えた結果です。
前職では、月14万円程度の手取りでやりくりしていましたが、
タクシーなら「歩合制」なので、
頑張り次第でその倍以上の収入を得ることも可能です。
実際に今は、月20~25万円程度の収入を安定的に得ています。
調子が良い時は月30万円以上になることもあり、生活はだいぶ安定しました。

また、何よりありがたいのは、シフトの融通が利くこと。
僕は趣味がアニメなのですが、
休日にアニメ関連のライブや舞台を観に行くのが楽しみなんです。
タクシーの仕事は、そういったイベントの予定に合わせて休みを調整しやすく、
プライベートを充実させることができます。
「生活を守る」「趣味を大切にする」「ちゃんと稼ぐ」
そのすべてを叶えられるのが、タクシーの仕事でした。

※タクシードライバーの給与制度「歩合制」について詳しく知りたい方は、
こちらの記事も合わせてご覧ください。

タクシードライバーの給料ってぶっちゃけどれくらい? 年収から手取り、稼ぐためのコツまで詳細に解説します。

●年齢関係なく挑戦できるフィールド

正直なところ、この歳になると「働ける仕事」は限られてきます。
そんな中で、三和交通の求人に出会いました。
面接では、これまでの多彩な経歴を面白がってもらえたのも印象的でしたし、
「年齢に関係なくチャレンジできる場所なんだ」と感じられたのは大きかったですね。
もちろん、未経験という不安はありました。
でも、ここなら自分のペースで、少しずつスキルを身につけていける。
今もまだ上手くいかないことは多くありますが、
自分なりに前進している実感があります。
50代でも、いや50代だからこそ、
挑戦していいんだって思わせてくれる環境に出会えたと感じています。

 

タクシードライバーになって良かったこと

●休日はイベントに。好きを楽しめる生活

僕は昔から“オタク”気質でして(笑)。
好きなアニメや声優、舞台を楽しむのが休日の過ごし方です。
前職は給与が安く、休日も少なかったため、
なかなか推し活にお金や時間をかけることができませんでした。
でも、タクシーの仕事を始めてからは、
週末のイベントや舞台の千秋楽に行くことも増えました。
事前に希望を出せば、三和交通では
土日のシフト調整も比較的柔軟に対応してもらえます。
自分の好きなことに没頭できる時間があるというのは、心の健康にもつながります。
今は“好き”に正直でいられる働き方ができていると感じています。

※プライベートを充実させている社員は、江口さん以外にもたくさんいます!
詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

タクシードライバーはプライベートを充実できない? リアルな実態を現役ドライバーに聞いてみた。

●人との会話がやりがいに。タクシーならではの“出会い”

民宿を営んでいた頃から、人とのふれあいが好きでした。
タクシーの仕事でも、一期一会の出会いがたくさんあります。
最近では、常連のお客様に「またよろしくね」と声をかけられたり、
「こないだ教えてくれた蕎麦屋、美味しかったよ」と話しかけられたりすることも。
ふとした会話の中に、その人の人生が垣間見える瞬間があるんですよね。
もちろん、すべての方と深く話すわけではないですが、
短い時間の中でも人との距離を縮められることに喜びを感じます。
お酒を飲みながら語り合うような民宿時代とはまた違った、
“人と心を通わせる場”として、タクシーという仕事も
なかなか奥が深いなと思っています。

※江口さんもお話しているように、タクシードライバーの仕事は
一期一会の出会いがたくさんあります。
三和交通の社員が実際に経験した出会いのエピソードは、
こちらにもまとめていますので、ぜひご覧ください。

タクシー物語

●日々が“実験”。営業戦略と試行錯誤の面白さ

僕にとっては、この仕事そのものが“日々の実験”です。
どのエリアで、どの時間帯に、どんなお客様が多いのか。
自分なりに仮説を立てて試してみるんですが、
当たるときもあれば、まったく外れるときもある(笑)。
最近は終電逃しを狙って夜の時間に回ってみたり、
特定の施設近辺で待ってみたりと、いろいろと工夫しています。
うまくいくと「よし、読みが当たった」と達成感がありますし、
うまくいかないと「次はこうしてみよう」と次の一手を考えるのが楽しいんです。
研究職時代ほどの理論的な世界ではありませんが、
「試して考えて、また挑戦する」という姿勢は今でも変わっていませんね。

 

50代未経験からの挑戦。タクシー業務のリアル

●一番の不安は?未経験デビューのリアル

この仕事を始めたとき、一番不安だったのは
「道が覚えられるのか?」という点でした。
何しろ僕、方向音痴でして…。
それまで沖縄に長く住んでいたので、神奈川や東京の地理はまるで別世界。
最初のころは、目的地の名前を聞いてもピンとこないし、
ナビを使っても最初の曲がり角で「これ逆じゃないか?」と焦ったり。
営業エリアの道が入り組んでいると、
今自分がどの方向を向いているのかすら分からないこともありました。
ですが、今では少しずつですが土地勘もついてきて、
ナビに頼らず動けるエリアも増えました。
時間はかかっても、焦らず一歩ずつ覚えていくことが大事だと感じています。

※三和交通で活躍する現役タクシードライバーに聞いた、
「道を覚える方法・コツ」などを紹介した記事もあります!
気になる方はこちらからご覧ください。

現役タクシードライバーに聞く! 道を覚える方法・コツを大公開!地理試験廃止情報も

●将来の安心は?50代が描く将来像のリアル

50代後半で、新たな仕事を始めるというのは正直勇気がいりました。
でもタクシーの仕事には、「どこに行っても通用するスキル」という安心感があります。
二種免許さえ持っていれば、万が一また沖縄に戻ることになっても、
タクシー業務で食べていく選択肢もあります。
それが自分にとっては大きな支えになっています。
収入も勤務スタイルも、ある程度自分でコントロールできるというのも、
この年齢にはありがたい要素ですね。
将来の展望はまだ模索中ですが、
「このまま少しずつ慣れて、もっと自由に動けるようになれば、
自分にとっての“天職”になるかもしれない」。
今はそんな希望を持ちながら、日々ハンドルを握っています。

●50代からタクシードライバーに挑戦したいと思っている方へ

「今さら新しいことなんて」と思う気持ち、よく分かります。
僕も最初は不安だらけでした。
でも、やってみたら意外と何とかなるものです。
特別なスキルがなくても、年齢や職歴に縛られず、
自分のペースでイチから始められるのがタクシーの仕事の魅力だと思います。
しかも、ちゃんと頑張った分だけ結果が返ってくる
これは他の仕事ではなかなか味わえない感覚です。
もちろん、簡単なことばかりではないし、
最初は道にも稼ぎ方にも戸惑うことがあるかと思います。
でも、少しずつ慣れていけば大丈夫。
もし「自分らしい働き方」を探しているなら、
ぜひ一歩踏み出してみてください。
50代だって、まだまだこれからですから。

※タクシードライバーに興味があるけど、
自分がタクシードライバーに向いているかどうか分からない。
そんな方は、こちらの記事をぜひご覧ください。

タクシー運転手にあなたは向いている?向いていない? 【診断チェック付き】

 

 

【まとめ】

いかがでしたか?
今回は、研究者・民宿経営・福祉職など、
実に多彩なキャリアを歩んできた江口さんに、
50代からの“再スタート”について語っていただきました。
「道を覚えるのが一番の不安だった」と話しながらも、
今では自分なりの営業スタイルを模索し、
タクシーという仕事に新たなやりがいを見出しつつあります。
「自由に働けて、趣味も楽しめる。
そんなバランスの良さが今の自分に合っている」
と話す江口さんの姿は、挑戦を恐れず、
人生を柔軟に切り拓く大人のロールモデルそのもの。
この記事を読んで、
「タクシーの仕事、ちょっと気になるかも」と思った方は、
ぜひ一度、三和交通にお問い合わせください。

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